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香川・岡山の旅 1日目

 7/5・6に香川・岡山へ建築の旅に行ってきました。今回の旅のメインは、高松市牟礼町にあるイサム・ノグチ庭園美術館と岡山市犬島にある犬島アートプロジェクト・精錬所です。どちらも時間指定の見学ツアーに事前予約しないと見る事ができない為、空いた時間を埋める形で今回の旅の計画を立てました。

↑四国村・ツタでできた吊り橋。ワイヤーが入っているのを確認してから渡る。

↑四国村・砂糖しめ小屋 かわいらしい円形の建物。中で牛がグルグル回って、さとうきびを搾る為に円形になっています。

↑四国村

↑四国村・竹フローリング?とても涼しげです。健康にもいいに決まってます。

↑四国村ギャラリー 設計:安藤忠雄氏

↑四国村ギャラリー 安藤建築は建築の旅に欠かせません。

↑イサム・ノグチ庭園美術館

↑イサム・ノグチ庭園美術館 庭園内の写真がNGでしたので、外からの写真。円形の石塀の中がアトリエと展示スペースになっています。

↑映画UDONの一番最初に出てきた三島製麺所のうどん。一杯150円

↑丸亀市猪熊弦一郎現代美術館 設計:谷口吉生氏

↑香川県立東山魁夷せとうち美術館 設計:谷口吉生氏 谷口さんの美術館は本当に美しい。

↑映画UDONのロケ地である松井製麺所跡地から見た讃岐富士

読書の梅雨


 僕は基本的に読書が苦手です。でも読まなきゃなって思って無理やり
読んでいたら、読みかけの本がない状況に耐えられなくなってしまっています。
 これはとてもいい感じ。なんとかこの読書生活を続けたいと思います。
 今読んでいるのは 意中の建築 上・下 中村好文(著)
 中村さんが気になる世界の建築を訪ね歩いたレポートなんですが、
中村さんの鋭い観察力と着眼点、情景が目に浮かんでくる文章表現は
素晴らしいものがあります。
 味のあるかわいいイラストいっぱいで、絵本を読んでいる感じで
彼の世界に引き込まれ、僕もその建築を見たい!って思わせてくれます。
 難しい建築用語はほとんど使ってませんし、建築の専門知識がなくても
十分に楽しめる内容です。
 意中の建築は、かなりコアな建築を巡っているので、住宅巡礼の方が
より読みやすいかも。

アグバル・タワー


 ジャン・ヌーヴェル設計の水道会社・本社ビルです。
バルセロナにこの弾丸(座薬?)のような形は賛否両論ですが、
思ったより中心地から離れていますし、極めてシンプルな形態からか
そんなに違和感を感じませんでした。
 遠くから見るとモヤモヤしたグラデーションがかかっています。
表面がどうなっているのか疑問でしたが、ガウディのデザインに敬意を
払ったという、モザイクタイルのようなカラーリングの外壁の上に
ガラスルーバーが取り付けられています。
 ルーバーのガラスは開口部に合わせて、透明と不透明を変えている為、
あのモヤモヤとした効果が生まれています。

 残念ながら内部は見れませんでしたが、かなり迫力がありますよ。

サグラダ・ファミリア

 バルセロナ市民の拠り所であるサグラダ・ファミリアには3回行きました。
雨の日、晴れの日、休日。行く度に凄さが増します。
 圧倒的な存在感で、体が吹き飛ばされそうな感覚がしました。
 完成まで200年かかるなんて言われていましたが、観光客の増加により
予算がついて、2020年頃までには完成するそうです。

 ↑生誕のファサード
  池の向こう側がベストポジションです。

 ↑東面・生誕のファサードの彫刻
  内戦でボロボロになった彫刻を外尾悦郎氏が修復。
  ガウディの生前に出来上がっていたのはこの面のみ。
  他の新しい部分とは明らかに雰囲気が違います。  
 
 ↑西面・受難のファザードの彫刻
  東面の複雑な彫刻に対し、直線的でシンプル。
 
 ↑内部はまさに工事現場。ヘルメットなしでいいの?って感じでした。
  木をモチーフにした柱。木漏れ日のようです。

 ↑トウモロコシのような塔にも登れます。
  階段は肩幅くらいの幅しかない螺旋階段。
  エレベーターに乗らないと大変な事になります。
 図面はごくわずかに残るのみですが、ガウディの意思を受け継いだ
大勢の人によって造られています。やはり建築は「思い」によって
建つんだなと改めて感じました。

カサ・バトリョ

カサ・ミラからカサ・バトリョへは2ブロックくらい。すぐそばです。
カサ・ミラの入場料は約1,000円に対して、カサ・バトリョは約2,500円。
ちょっと入るのをためらうくらい高い!しかし、ここまで来てケチる訳には
いけません。
 入り口で日本語ガイドをタダで貸してくれました。さすがにそれくらいは
しれもらわないとね。
 ここは新築ではなく改装だと初めて知りました。改装前の写真もありましたが、
当時の面影は全く無く、完全にガウディデザインになっています。
 カサ・バトリョは海がテーマです。渦巻き天井、イソギンチャクの照明、
立体的にうねる木製折戸、新たに設けられた光庭には鮮やかな青いタイルが張られ、
その中に木製のエレベーターが設置されています。
 
 全ての部屋に窓かトップライトが設けられていました。
建具に可動ガラリが設けられていたりして、当時劣悪だった住環境を改善すべく、
採光・通風・空調換気設備に対しての配慮が、細部まで行き届いています。
デザインだけでなく、機能面での細やかな配慮に脱帽。

↑渦巻き天井、イソギンチャクの照明、大開口のうねる木製サッシ。

↑パッと見ではベージュに見える内壁・天井も、よく見ると全てウロコが
 描かれています。

↑中央部の階段室も、トップライトからの光でとても明るい。

↑光庭には鮮やかな青いタイルが貼られており、下(海底)に行くにつれて
 淡い青へとグラデーションがかかっています。

↑カサ・ミラと同じように排気塔がデザインされています。
 空がムチャクチャ青い!
 細部に渡るまでガウディの気の使い方がハンパないです。かなり見応えあり。
2,500円出す価値は十分ありました。

カサ・ミラ

 カサ・ミラはすごい行列です。案内は1時間待ちでしたが、
意外とスムーズに30分くらいで入れました。

↑近くで見た外壁は、なぐり仕上げのようにノミの跡が残る荒々しい仕上げです。
 うねる外壁、植物をモチーフにした鉄とは思えない、ひらひらとした外部手摺。
 否応なく、内部への期待感が高まります。
 がしかし、意外と中は普通。クライアントの要望なのか、よく見る貴族好みの
内装で、ちょっとがっかり。
 早く屋上に行きたい!気持ちがはやり、一般階はさーっと流しちゃいました。
 最上階はガウディの作品が、パネルや模型などで展示してありました。

↑天井から吊られている鎖は、ガウディが何年も実験に費やしたもの。
 垂れ下がって自然にできたアーチは、構造的に一番理想的な形だそうです。
 下に鏡が置いてありました。サグラダファミリアにもこの模型が置いてあります。

↑いよいよ屋上です。キノコや騎士の頭のような排気塔が立ち並んでいます。
 単なる造形だけでなく、排気が抜けやすいようにとか、雨が入らないようにとか
 機能面にもかなり気を使ってあります。シャフト設置して束で管を抜くのも
 当時は画期的だったそうです。

↑アーチにすっぽりサグラダファミリアがはまってます。ニクイ演出。
 右端にはアグバルタワーも見えます。

↑ヨーロッパの建築は必ず中庭があり、光を下階に運びます。
 カサ・ミラの見所は外観、最上階の細いレンガで組まれた連続アーチ、屋上です。
お気に入りはやっぱり屋上。眺めも良く、とても気持ちいい場所でした。

ガウディ!

 4/11(火)いよいよ観光スタート。
ところが初日から風邪をひいてフラフラ。最悪のコンディションです。
 バルセロナの目的は、ガウディ以外ありません。
とりあえずガウディお願いします。といった感じで周りました。
 
 カサミラ、カサバトリョは宿から5ブロックくらい。
全然歩いていける距離なんですが、バルセロナカード(バス・メトロが乗り放題、
ほとんどの施設で割引)の4日券を買ったので、あえてメトロに乗って行きました。
 地上に出たすぐの角にカサ・ミラ!想像していたものより、ずっとデカイ!
有機的な曲線が美しく、本物の生物のような生々しい躍動感がありました。
 カサ・ミラ、カサ・バトリョがあるガルシア通りはガウディ通り。
歩道のタイルや街灯もガウディがデザインしたものです。

 ↑カサ・ミラ

 ↑カサ・バトリョ

 ↑ガウディデザインの六角形のタイル。1枚に3つの模様が描かれており、
  3枚揃うとサンゴや渦巻きなどの模様が完成します。

バルセロナ到着

 バルセロナでの10連泊はペンションに泊まりました。
ペンションと言っても、日本のペンションとは違い、
寮みたいな感じです。個室でWC・浴室が共同。
食事なしで1泊4000円くらいです。
 僕が泊まった「Pention NOYA」はカタルーニャ広場という
バルセロナの中心となる広場の角にあり、立地条件は抜群です。
 4/10(火)バルセロナに到着したのが現地時間の夜8時半。
チェックインが遅れる時は必ず連絡をくださいと言われていたので、
宿に30分遅れるという電話をかけました。
 電話の向こうは完全にスペイン語で、畳み掛けるように
何かをしゃべっています。当然分からないので、相手にかぶせて
こっちも英語で30分遅れると必死に伝えると何故か伝わりました。
 30分後ペンションに到着しました。重いスーツケースを4階まで
階段で運び、さっきの電話口のおばさんとご対面。
 「あーさっきの電話のー?」
早速、宿の取説が始まりました。
 「ここが浴室、トイレ、そしてあなたの部屋はここ。
出かける時は鍵をここに置いてね。宿泊代は前払いにする?後にする?」
全く英語はしゃべってくれませんでしたが、なぜかそんな風に聞こえました。


 状況とか、ジェスチャー、話の前後関係だけで、全く言葉が分からなくても
ほとんどの事は通じてしまうんだなと感じました。これが本当に間違って
いないのには驚き。旅を続けると、その感覚も精度が増していきました。
 多分、日本語で会話をする時も同じ感覚で、相手の一言一句よりも、
状況や前後関係で理解している方が、割合としてはずっと多いんでしょうね。

ひとり旅の自由度

 旅の日程は30泊32日でした。
まずバルセロナに10泊、パリに10泊、バーゼルに4泊、
またパリに戻って6泊といった感じです。
 飛行機と宿だけ確保しておいて、あとは全て自由行動。
食事も食べたい時に食べればいいし、面倒なら抜いてもOK。
 どこか観に行っても、居たいだけ居ればいいし、
疲れたら休めばいい。誰にも迷惑をかけません。
 一人だと果てしなく自由ですが、その分とても孤独。
この自由度はヤミツキになりそうです。
 名古屋からバルセロナへ直通の飛行機はなく、
パリ経由でバルセロナに入りました。
 名古屋→パリが12時間。パリ→バルセロナが2時間。
エコノミーでの12時間は旅への不安と、座席の狭さで
本当にキツかったです。

 座席って個人旅行だと、搭乗手続の時に選べるんですね。
全部窓側にしてもらいました。
 眼下には雲がびっしりと詰まっています。
空と雲の境界がほんのりカーブしていて、
地球って丸いんだなって目で見て分かります。

本日、帰国しました!

 1ヶ月間何も問題なく、本日無事に帰国しました。
 1ヶ月海外でのひとり旅って、行く前はすごく大きな事を
やるんじゃないかと思っていましたが、やってみると
意外に行けるものです。
 英語がほとんどしゃべれなくて、文法なんかメチャクチャですが、
結構通じてしまいます。欧州の人はプライドが高く、
英語で話しかけても無視されるなんて聞いていましたが、
全くそんな事はありません。
 みんな親切ですし、一生懸命英語で話してくれます。
 大勢の人の温かさを知った旅でもありました。
 撮った写真は3000枚。フィルムでは考えられない枚数です。
少しづつUPして行きたいと思います。

 ロンシャンの礼拝堂 内部
 :天気は曇り空でしたが、中に入ると目には強烈な光が差し込んで
  来ました。写真では何回も見た事があるのですが、やはり実物は
  想像以上です。しばらく絶句。